@世界

私の人生を消費して。骨の髄まで美味しくしゃぶりつくして。 ツイッター@世界ID:@huantokyomu

非常階段の上にて

研究室の裏戸を開けると満開の桜が見える。下級生たちがわらわらとやってきてうるさかったから逃げてきただけだったはずが、思わず見とれてしまう。煙草に火をつける。灰がひらひらと舞い散って、桜の花びらに紛れていく。煙に混ぜてため息を吐き出した。寒の戻りだ。肌寒い。緩やかに、しかしあっという間に体がつめたくひえていく。同じ景色を見る人がいる。言葉が交される。終わるタイミングをつかめずにつらつらと、ぽつぽつと、ひらひらと、噛み合っているのかいないのか、言葉も花びらと一緒。灰とともに紛れていった。

うまくいかないことばかりだ。自分が嫌になるばかりだ。人間と関係していくということも、絵を書くということも、勉強するということも、努力をするということも。うまくいかないことばかりだ。毎日ヽヽ気持ちが沈み、また高揚することに体がついていかなくて。ふっとしたとき、言葉を発した自分が、私という誰か別人格に見える。私はそんな私を見つめながら、こいつはなんでこんなことを言っているのかって。「なんでそんなこと考えちゃうんですか?考えるといいことないですよ。」知っているよ、そんなこと私だって。私だって、知っている。知っている?知って……?遠く、曖昧になっていく。

過去も未来も現在も朧な今に、思うことは一つ。この美しい景色も、記憶も、絵の具の粒子の一粒となって私の絵となれ。そうして私を救ってよ。