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私の人生を消費して。骨の髄まで美味しくしゃぶりつくして。 ツイッター@世界ID:@at_sekai

国は南に日は西に

村上春樹国境の南、太陽の西。読んだ。あっという間に読める短い作品だった。

 

 一人っ子のことはよくわからないし、38の男のこともよくわからないけど、人生にパっとする時期としない時期があることとか、どうにもならないろくでもなさがあることとか、自分が望むと望まないとにかかわらず、人間は手前勝手に人を傷つけることができる生き物であるとか、そういうところに共感があった。

 村上春樹は当たり前のことを当たり前に、わかりやすく、かつブンガク的な調子で描くのがうまい。

 昨日かわいい後輩と飲みに行ったんだけど、振り返ると私はとてもかっこ悪いし、つまらないことをたくさん言ったし、きちんと話を聞いてあげられなかった。前はそういう言葉や行動をひとつひとつ取り上げて反省して落ち込んで鬱になるみたいなことをしていたんだけど、今はそうではない。まあ多少反省はするけど、もう、ずぎてしまったことだ。色々諦めたり体のせいにすることで、かなり明るく生きていける。時々、考えていないことに対する罪悪感みたいなものもあるけど、でもあのくらい日々に戻るよりもずっとずっとマシなんだ。

 さあ、楽しく生きよう。明るく生きよう。嫌なことはある。辛いこともたまにはある。でも、それはただそういうこともあるっていうだけのことだ。ただ受け入れればそれでいいんだ。すっきりと悲しいルノワールの花の習作のように。美しく。